憧れのオフロードバイクを前に、これから始まる冒険に胸を躍らせていることでしょう。しかし、その第一歩であるヘルメット選びで、立ち止まっていませんか。
「林道ツーリングがメインだけど、ゴーグルは面倒だろうか」「2万円のモデルと6万円のモデル、一体何が違うのか」「専門用語ばかりで、結局どれが自分に合うのか分からない」。その気持ち、痛いほど分かります。かつての私も、膨大な情報の海で途方に暮れていました。
でも、もう大丈夫です。この記事は、そんなあなたのための「失敗しないヘルメット選びの完全ガイド」となるでしょう。オフロードのプロが、選び方の鉄則から目的別の最新モデル21選、さらにはメーカー毎のサイズ感の違いまで、あなたの疑問をすべて解消します。もう遠回りする必要はありません。最高の相棒ヘルメットを見つけ、自信を持ってオフロードの世界へ飛び込みましょう。
【2025年版】オフロードヘルメットのおすすめ21選!プロが選び方から人気モデルまで徹底解説

オフロードライディングにおけるヘルメットは、単なる安全装備以上の意味を持ちます。刻々と変化する路面状況に集中し、最高のパフォーマンスを発揮するためには、ライダーと一体化するようなフィット感、軽量性、そして信頼できるプロテクション性能が不可欠です。林道ツーリングを楽しむ初心者から、レースで勝利を目指すベテランまで、あらゆるライダーが最適な”相棒”を見つけ出せるよう、選び方の鉄則からプロが厳選した21のモデル、さらには購入後のメンテナンスに至るまで、必要な知識を網羅的に提供します。
【結論ファースト】あなたの目的別おすすめヘルメットはこれ!

数あるオフロードヘルメットの中から、自分にぴったりの一品を見つけるのは大変な作業です。そこで最初に、あなたの目的別に最もおすすめできる代表的なヘルメットを3つ紹介します。
林道も公道も快適に走りたいあなたへ:Arai TOUR-CROSS V
シールド付きの高い快適性と、オフロードでの信頼性を両立したアドベンチャーヘルメットの決定版です。長距離ツーリングがメインの方に最適と言えます。
最初の一個で迷う初心者の方へ:ZEALOT MadJumperII
レースにも対応する安全規格(MFJ公認)と、長時間の着用でも疲れにくい軽さを備えながら、圧倒的なコストパフォーマンスを実現しています。
レースで最高の性能を求めるあなたへ:SHOEI VFX-WR
トップライダーたちが選ぶ、卓越した安全性と機能性を誇るレーシングモデルの最高峰です。コンマ1秒を競うシビアな環境で、あなたの集中力を最大限に引き出します。
もちろん、これらはあくまで代表例です。この記事では、ここで紹介したモデルを含む全21種類のヘルメットを、それぞれの特徴や用途に合わせて詳しく解説していきます。あなたの最高の相棒がきっと見つかるはずです。
【基礎知識】そもそもオフロードヘルメットって普通のヘルメットと何が違うの?

オフロードヘルメットは、一般的なフルフェイスヘルメットとは大きく異なる、機能性に特化した形状を持っています。それぞれのパーツには、未舗装路を安全かつ快適に走行するための明確な理由が存在します。
特に象徴的なのが、頭頂部から前方に伸びる「バイザー」です。これは前走車が巻き上げる泥や小石、林道での木の枝などから顔やゴーグルを守るためのものです。強い日差しを遮る「ひさし」としての役割も果たします。
顎を保護する「チンガード」が前方に長く突き出している点も大きな特徴です。転倒時に顔面を路面や障害物から守る安全性を確保しつつ、口元のスペースを広げることで激しいライディング中の呼吸をしやすくする効果があります。
また、ゴーグルを装着することを前提としているため、目の前の開口部である「アイポート」が広く設計されています。これにより、上下左右に広い視界を確保することが可能です。
これらの基本構造を備えつつ、オフロードヘルメットは想定される用途によって、さらにいくつかの種類に分類されます。
モトクロスヘルメット
レースでの使用を主眼に置いた最も基本的なタイプです。軽量性と高いベンチレーション性能を追求し、ゴーグルと組み合わせて使用します。
アドベンチャーヘルメット
「デュアルパーパス」とも呼ばれ、林道ツーリングから高速道路を使った長距離移動まで、幅広いシーンに対応します。開閉式のシールドを備えているモデルが多く、天候や速度域に合わせて快適な走行が可能です。AraiのTOUR-CROSS Vのように、シールドを外してゴーグル専用としても使えるものもあります。
クラシック・VMXヘルメット
1980年代のヴィンテージモトクロス(VMX)スタイルを彷彿とさせる、デザイン性を重視したタイプです。シンプルな帽体形状が特徴で、オフロードバイクだけでなく、スクランブラーやストリート系のバイクにもよく似合います。SHOEIのEX-ZEROのように、インナーシールドを備えたモデルも存在します。
特徴1|呼吸しやすく安全な「長いチンガード」

オフロードヘルメ-ットが持つ独特の形状の中で、特に目を引くのが前方へ長く突き出たチンガード(顎部分)です。この特徴的なデザインは、見た目だけでなく、安全性と快適性を両立させるための重要な機能を担っています。
転倒時に顔や顎を路面や障害物から守ることが、その最も大きな役割です。一般的なフルフェイスヘルメットと比較して口元に広い空間が確保されているため、万が一の衝撃が直接伝わるリスクを低減します。
さらに、この空間は激しい運動で息が上がった際の呼吸のしやすさを確保するためでもあります。 オフロード走行は運動量が多く、特に息苦しさを感じやすいため、この構造は不可欠と言えます。 また、口元に空間があることで、自身の呼気でゴーグルが曇るのを防ぐ効果も期待できます。
特徴2|日差しや泥から顔を守る「バイザー」

オフロードヘルメ-ットの額部分に突き出た「バイザー」は、日よけとしての役割が最も大きいと言えます。林道走行中、木々の間から差し込む太陽光が直接目に入ると、一瞬視界が奪われて非常に危険です。バイザーは、こうした眩しさを効果的に遮り、クリアな視界を保つために不可欠なパーツです。
さらに、前方を走るバイクが巻き上げる泥や小石から、顔やゴーグルを守る盾の役割も果たします。レースやマッドコンディションでの走行では、このバイザーの有無が快適性に大きく影響するでしょう。多くのモデルでは角度調整が可能で、太陽の位置や走行状況に合わせて最適なポジションに設定できます。また、高速走行時の風圧を逃がすため、空気の通り道が設けられている製品も少なくありません。
特徴3|広い視界を確保する「ゴーグル前提の広いアイポート」

シビアな判断が求められるレースシーンでは、視界の広さが勝敗を分ける重要な要素となります。 VFX-WRはゴーグルの装着を前提に、アイポート(目の前の開口部)が広く設計されています。
これにより、上下左右のワイドな視界が確保され、他のライダーの位置や走行ライン、刻々と変化する路面状況を瞬時に把握することが可能です。
また、近年主流となっている大型のゴーグルにも対応しやすく、ライダーは最適なフィット感のゴーグルを選ぶことができます。 この広い視界は、密集したスタート直後や激しい順位争いの最中でも、ライダーに安心感と集中力をもたらします。
用途で変わる!オフロードヘルメット全4種類の特徴を解説

オフロードヘルメットは、その用途に応じて大きく4つの種類に分けられます。 前方に突き出たチンガード(顎部分)や、日差しや泥を防ぐためのバイザーが共通した見た目の特徴です。 しかし、それぞれの種類で得意な走行シーンや機能性が異なります。自分のライディングスタイルに最適なヘルメットを選ぶために、まずはそれぞれの特徴を理解しましょう。
モトクロス/エンデューロヘルメット
レースでの使用を前提とした、最も基本的なオフロードヘルメットです。ジャンプや激しい動きの中でもライダーの呼吸を確保するため、チンガードが長く、通気性を最大限に重視した設計になっています。 目を保護するためのシールドはなく、専用のゴーグルと組み合わせて使うのが一般的です。 軽量なモデルが多く、競技に集中できるような工夫がされています。
アドベンチャー/デュアルパーパスヘルメット
林道ツーリングや公道での長距離移動など、オンロードとオフロードの両方を楽しむライダー向けに設計されています。 高速走行時の風圧や雨を防ぐための開閉式シールドが付いているのが最大の特徴です。 シールドを外してゴーグルを装着できるモデルもあり、様々な状況に対応できる汎用性の高さが魅力と言えるでしょう。
クラシック/VMXヘルメット
ヴィンテージモトクロス(VMX)のスタイルを現代に再現した、デザイン性の高いヘルメットです。 1970〜80年代のクラシックなデザインをモチーフにしており、シンプルな形状とカラーリングが特徴です。スクランブラーやクラシックなオフロードバイクとの相性が良く、街乗りでもファッション性を重視するライダーに支持されています。
トライアルヘルメット
トライアル競技に特化した特殊なヘルメットです。岩場や斜面を低速で走行し、繊細なバランス感覚が求められる競技のため、足元などの視認性を最大限に確保できるようチンガードがないジェットヘルメットのような形状をしています。 非常に軽量に作られていますが、用途が限定的であるため、一般的なオフロード走行には向きません。
失敗しないオフロードヘルメットの選び方【7つの鉄則をプロが解説】

オフロードヘルメットの種類とそれぞれの特徴を理解したところで、次はいよいよ自分に最適な一品を選ぶための具体的なステップに進みます。数多くのモデルの中から後悔しないヘルメットを選ぶためには、押さえておくべき重要なポイントが存在します。
自分のライディングスタイルや目的に合わない製品を選んでしまうと、せっかくのオフロード体験が快適でなくなってしまうかもしれません。安全性はもちろん、フィット感や機能性など、様々な角度から製品を吟味することが大切です。
ここでは、初心者から経験豊富なライダーまで、誰もが最高の相棒を見つけるために欠かせない「7つの鉄則」を、プロの視点から分かりやすく解説していきます。これから紹介するポイントを一つずつチェックすることで、あなたのバイクライフをより豊かにするヘルメットが必ず見つかるでしょう。
選び方の鉄則①|林道ツーリング?レース?まずは用途を明確にしよう

オフロードヘルメット選びで最も重要なのは、自分がどのような走りを楽しみたいかを具体的にイメージすることです。ひとくちに「オフロード」と言っても、その楽しみ方は多岐にわたります。
例えば、週末にのんびりと景色を楽しむ林道ツーリングがメインであれば、公道での快適性と未舗装路での安全性を両立したモデルが求められるでしょう。高速道路を使ってツーリング先へ向かうなら、風や雨を防げるシールド付きのアドベンチャータイプが非常に便利です。一方で、林道での運動性をより重視するなら、軽量なゴーグルタイプのヘルメットも有力な選択肢となります。
もし、モトクロスやエンデューロといったレースへの参加を少しでも考えているなら、選ぶべきヘルメットは変わってきます。競技では、コンマ1秒を争う状況下でのパフォーマンスが最優先されるため、本体の軽さや激しい呼吸を妨げない通気性が極めて重要です。さらに、参加するレースによっては、MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)が公認した規格のヘルメットでなければ出場できない場合もあります。
また、オフロードバイクのスタイルは好きでも、主な用途は通勤や街乗りだという人もいるでしょう。その場合は、安全性はもちろんのこと、バイクやウェアに合わせたデザイン性や、シールドの有無といった普段使いの利便性が選択の大きな基準になってきます。
このように、まずは自身の主な用途をはっきりとさせることが、数ある製品の中から最適な相棒を見つけるための、最も確実な第一歩と言えるでしょう。
選び方の鉄則②|シールド付きとゴーグルタイプはどっちが良い?メリット・デメリットを比較

オフロードヘルメット選びで多くの初心者が悩むのが、シールド付きとゴーグルタイプのどちらを選ぶかという問題です。それぞれに明確なメリットとデメリットが存在するため、自分の使い方をイメージしながら最適なタイプを見極める必要があります。
公道での快適性を重視するならシールド付き、本格的なオフロード走行の比重が高いならゴーグルタイプが基本的な選択肢となるでしょう。
シールド付きヘルメットのメリット・デメリット
高速道路や長距離の移動を含むツーリングでの利便性が最大の魅力です。
メリット
着脱の手間がない: シールドの開閉はワンタッチで済み、信号待ちなどで気軽に外気を吸えます。
天候変化に強い: 突然の雨や風、飛び石などから顔全体を保護し、高速走行時の快適性はゴーグルタイプを圧倒します。
静粛性が高い: 風切り音が少なく、長時間のライディングでも疲れにくい傾向にあります。
メガネに対応しやすい: メガネをかけたままヘルメットを着脱できるモデルがほとんどです。
デメリット
激しい運動で曇りやすい: 息が上がるようなハードなオフロード走行では、シールド内が曇ったり熱がこもったりしやすいです。
重量が重くなりがち: 開閉機構があるため、シンプルなゴーグルタイプに比べて重くなる傾向があります。
土埃や泥に弱い: シールドに付着した泥汚れは、タオルで拭うと傷が付きやすく、視界の確保が難しい場合があります。
ゴーグルタイプヘルメットのメリット・デメリット
オフロード走行における快適性と視界確保に特化しています。
メリット
圧倒的な通気性: 口元のスペースが広く、息が上がっても熱や湿気がこもりにくいため、常にクリアな視界を保てます。
広い視界: 顔にフィットするゴーグルは、フレームの存在を感じさせない広い視界を提供します。
泥や汚れに強い: 汚れたらゴーグルごと交換したり、捨てレンズ(ティアオフ)で一瞬にして視界を回復させたりできます。
軽量なモデルが多い: シンプルな構造のため、軽量で首への負担が少ないです。
デメリット
公道走行での快適性が低い: 高速走行では風の巻き込みや風切り音が大きく、雨が降ると顔に直接当たります。
着脱が面倒: ヘルメットとは別にゴーグルを装着する手間がかかります。
メガネとの相性を選ぶ: メガネ対応のゴーグル(OTGモデル)を選ばないと、メガネの上から装着するのは困難です。
【結論】どちらを選ぶべきか?比較表でチェック
| 比較項目 | シールド付きヘルメット | ゴーグルタイプヘルメット |
|---|---|---|
| 得意なシーン | 公道走行、ツーリング | オフロード走行、レース |
| 快適性(高速走行) | ◎ | △ |
| 快適性(オフロード) | ◯ | ◎ |
| 通気性 | ◯ | ◎ |
| 利便性 | ◎ | ◯ |
| 軽さ | △ | ◎ |
| メガネ対応 | ◎ | △(OTGモデルなら可) |
林道までのアプローチで高速道路を使い、オフロード走行も楽しむといった使い方であれば、汎用性の高いシールド付きのアドベンチャーヘルメットが適しています。一方で、トランポで移動し、オフロードコースでの走行がメインという場合は、軽さと通気性に優れるゴーグルタイプのヘルメットが本来の性能を発揮するでしょう。
選び方の鉄則③|安全性は最優先!SG・JIS・SNELL・MFJ規格の違いとは

オフロードヘルメットの最も重要な役割は、万が一の転倒時に頭部を確実に保護することです。その安全性能を客観的に示す指標が「安全規格」であり、ヘルメット選びにおいて最優先で確認すべき項目と言えます。
公道を走行するためには、国が定めた安全基準を満たしていることを示す「PSCマーク」が必須です。日本国内で販売されているバイク用ヘルメットには、このPSCマークの表示が義務付けられています。
それに加え、製品安全協会が定める基準をクリアした製品に付けられるのが「SGマーク」です。SGマーク付きのヘルメットには、製品の欠陥によって人身事故が起きた場合に備えた賠償制度が付帯します。多くの製品はPSCとSGの両方のマークを取得しており、公道走行の基本的な安全性を担保する最低条件と認識してください。
より高い安全基準として「JIS規格(日本産業規格)」があります。これは衝撃吸収性やあご紐の強度など、さらに厳しい試験項目をクリアした証です。公道でのツーリングがメインであれば、このJIS規格を一つの目安にすると良いでしょう。
レースでの使用を想定している場合、さらに厳格な規格が求められます。その代表が「SNELL規格」です。これは非営利団体による非常に厳しい衝撃テストを伴う任意規格で、数年ごとに内容が更新されます。世界中のトップライダーが信頼を寄せる、世界最高レベルの安全基準の一つです。
そして、日本国内のMFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)が公認するレースに出場するためには、「MFJ公認」を取得したヘルメットが必須となります。MFJ公認は、SG規格やJIS規格をベースに、レースという過酷な環境でライダーを守るための基準をクリアしていることを示します。
これらの規格をまとめると、以下のようになります。
| 規格の種類 | 主な特徴と用途 |
|---|---|
| PSC・SG | 公道走行に必須の基本的な安全基準。 |
| JIS | 公道走行における高い安全性の目安となる日本の国家規格。 |
| SNELL | レースでの使用を想定した、世界レベルの非常に厳しい任意規格。 |
| MFJ公認 | 日本国内の公認レースに出場するために必須の規格。 |
自分のライディングスタイルを考慮し、最低でもJIS規格以上、レースへの参加を少しでも考えているならMFJ公認のヘルメットを選ぶことが、安心してオフロードを楽しむための鉄則です。
選び方の鉄則④|フィット感が命!頭のサイズの正しい測り方と試着の重要性

オフロードヘルメット選びにおいて、安全性と快適性を左右するのがフィット感です。どんなに高性能なヘルメットでも、サイズが合っていなければ本来の保護性能を発揮できません。万が一の転倒時にヘルメットがずれてしまっては、重大な怪我に繋がる可能性があります。
まずは、自分の頭のサイズを正確に測ることから始めましょう。用意するのは柔らかいメジャーだけです。額の最も高い位置(眉毛の1cmほど上)と、後頭部の最も出っ張っている部分を通るように、メジャーを水平に一周させて頭の外周を計測してください。この数値が、ヘルメットサイズの基本的な目安となります。
ただし、計測した数値だけで購入を決めるのは危険です。なぜなら、頭の形状は人それぞれで、同じ頭囲でも横幅が広い「丸型」や、前後が長い「卵型」など様々だからです。特に海外メーカーのヘルメットは、欧米人の頭の形に合わせて細めに作られている傾向があります。
そのため、可能な限りバイク用品店などで実際に試着することをおすすめします。試着の際は、ただ被るだけでなく、以下の点を確認してください。
ヘルメットを被り、あご紐をしっかりと締める。
頭を上下左右に振っても、ヘルメ-ットが大きくぐらつかないか。
頬や頭頂部が適度に圧迫され、心地よいホールド感があるか。
こめかみなど、一点だけが強く当たって痛む部分はないか。
新品の内装は少しきつく感じることがありますが、使っているうちに自分の頭の形に馴染んできます。もし部分的にフィット感が合わない場合は、別売りのチークパッドやセンターパッドで厚みを調整できるモデルも存在します。
選び方の鉄則⑤|軽さ・通気性・インナーバイザーの有無など機能性で選ぶ

安全性やフィット感と並び、長時間のライディングでの快適性を大きく左右するのが機能性です。特に「軽さ」「通気性」「インナーバイザーの有無」は、疲労度や利便性に直結する重要なポイントになります。
軽さは疲労軽減に直結する
オフロード走行では体が大きく揺さぶられるため、ヘルメットの重さが首や肩への負担に直接影響します。わずか100gの違いでも、長時間のライディングでは大きな疲労の差として現れるでしょう。
特にレースシーンでの使用や、長距離の林道ツーリングを考えているなら、軽さは重要な選択基準です。帽体の素材にカーボンやFRPといった軽量な素材を使用しているモデルは高価になる傾向がありますが、その分、ライディングへの集中力を高く維持できるというメリットがあります。
通気性(ベンチレーション)でヘルメット内を快適に
運動量の多いオフロードライディングでは、ヘルメット内部が汗で蒸れやすくなります。ベンチレーション機能が優れていれば、走行風を利用して内部の熱気や湿気を効率的に排出し、常に快適な状態を保つことが可能です。
多くのヘルメットには、外部の空気を取り込むインテークと、内部の空気を排出するアウトレットが備わっています。特に、汗をかきやすい夏場の走行や、エンデューロのような競技では、この性能が快適性を大きく左右すると言えます。
あると便利なインナーバイザー
主にアドベンチャータイプのヘルメットに装備されているのが、開閉式のインナーバイザー(サンバイザー)です。日差しが強い状況や西日が眩しい時間帯、トンネルの出入り口など、明るさが急に変わる場面で非常に役立ちます。
サングラスを別途用意する必要がなく、レバー一つで素早く操作できる手軽さが魅力です。ただし、構造が複雑になる分、ヘルメットの重量はやや増加する傾向にあります。公道でのツーリングがメインなら、ぜひ検討したい便利な機能です。
選び方の鉄則⑥|予算はいくら?価格帯別の特徴を知って賢く選ぶ

オフロードヘルメットの価格は、1万円台で手に入るものから8万円を超えるものまで様々です。この価格差は、主に「帽体の素材」「安全性や快適性に関わる付加機能」「内装の質感」という3つの要素によって生まれます。
それぞれの価格帯の特徴を理解し、自分の使い方と求める性能のバランスを見極めることが、賢いヘルメット選びの鍵となります。
〜3万円台|基本性能を押さえたエントリーモデル
この価格帯は、オフロードヘルメットを初めて購入する方や、コストを抑えたい方に最適な選択肢です。帽体にはABS樹脂などの熱可塑性プラスチックが多く使われます。上位モデルに使われるFRP(繊維強化プラスチック)に比べると、やや重量が増す傾向にあります。
しかし、SG規格やJIS規格といった公道走行に必要な安全基準はクリアしており、基本的な安全性は確保されています。ベンチレーションなどの快適機能も備わっていますが、その性能は価格相応と言えるでしょう。
3万円〜5万円台|安全性と快適性を両立した売れ筋モデル
最も多くのライダーにとって現実的な選択肢となるのが、このミドルレンジの価格帯です。帽体には軽量で強度の高いFRP素材が使われるモデルが増え、長時間のライディングでも疲れにくくなります。
また、BELLの「MX-9 MIPS」のように、脳への回転衝撃を緩和する「MIPS」などの付加機能を持つモデルも多く、より高い安全性を求めることができます。内装の質感やフィット感も向上し、本格的な林道ツーリングからサンデーレースまで、幅広い用途に対応できるバランスの良さが魅力です。
5万円以上|最新技術を投入したハイエンドモデル
レースでの勝利や、最高の安全性を求めるライダーのためのプロフェッショナルモデルです。SHOEIの「VFX-WR」やAraiの「V-CROSS4」などがこのカテゴリに含まれます。
帽体にはカーボンファイバーや各メーカーが独自に開発した高性能な複合素材が使われ、驚くほどの軽さと極めて高い強度を両立しています。メーカー独自の衝撃吸収システムや、効率を突き詰めたベンチレーションなど、持てる技術のすべてが投入されています。価格は高価ですが、それに見合う最高の性能と安心感を得られるでしょう。
選び方の鉄則⑦|愛車に合わせたい!デザインやカラーで選ぶ

安全性や機能性も重要ですが、ヘルメットはライダーの個性を表現するファッションアイテムでもあります。愛車のスタイルやカラーに合わせてデザインを選ぶことで、バイクライフはさらに楽しくなるでしょう。
アグレッシブなデザインが特徴の最新モトクロッサーには、SHOEIの「VFX-WR」に代表されるような、大胆なグラフィックが施されたヘルメットがよく似合います。一方で、SHOEIの「EX-ZERO」のような1980年代のデザインを彷彿とさせるクラシカルなヘルメットは、スクランブラータイプのバイクやビンテージモトクロッサーとの相性が抜群です。
また、ヘルメットのカラーをバイク本体や着用するウェアの色と合わせるのも、統一感を出すためのテクニックです。 例えば、白いバイクに同系色のヘルメットを合わせると、清潔感のある上品な印象になります。 赤いバイクであれば、黒や白といったベーシックなカラーのヘルメットを選ぶと、車体の色が引き立ちます。
多くのメーカーからソリッドカラー、グラフィックモデル、レプリカモデルまで多種多様なデザインが展開されています。自分のバイクやスタイルに似合うお気に入りの一つを探すのも、ヘルメット選びの大きな醍醐味と言えるでしょう。ただし、デザインに惹かれた場合でも、必ず試着してフィット感や安全性を確認することが大切です。
【全21選】おすすめオフロードヘルメット比較一覧表

ここからは、これまでの選び方を踏まえ、数あるオフロードヘルメットの中から厳選した全21モデルを紹介します。
まずは、それぞれのヘルメットがどのような特徴を持つのか、全体像を把握できる比較一覧表をご覧ください。気になるモデルを見つけ、この後の詳細な解説でチェックするための参考にしてください。
| No. | 商品名 / メーカー | カテゴリ | 安全規格 | 価格帯目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | VFX-WR / SHOEI | レース | JIS, MFJ | 6万円台〜 | 独自の衝撃吸収構造「M.E.D.S.」搭載の最高峰モデル。 |
| 2 | V-CROSS4 / Arai | レース | SNELL, JIS, MFJ | 5万円台〜 | 衝撃をかわす滑らかなフォルム。高い安全性を誇る定番。 |
| 3 | TOUR-CROSS V / Arai | アドベンチャー | SNELL, JIS | 6万円台〜 | オン・オフ問わない快適性。進化したアドベンチャーヘルメット。 |
| 4 | MadJumperII / ZEALOT | コスパ・初心者 | SG, MFJ | 2万円台〜 | レース対応で約1,250gの軽量設計。驚異のコストパフォーマンス。 |
| 5 | MX-9 MIPS / BELL | レース | SG, MFJ | 4万円台〜 | 回転衝撃保護技術「MIPS」を搭載した高性能モデル。 |
| 6 | V1 / FOX | コスパ・初心者 | SG, MFJ | 3万円台〜 | 人気ブランドFOXのエントリーモデル。「MIPS」も搭載。 |
| 7 | YX-6 ZENITH GIBSON / YAMAHA | 多機能・初心者 | SG, JIS | 2万円台〜 | 5つのスタイルに変更可能。ツーリングからオフロードまで対応。 |
| 8 | HORNET ADV / SHOEI | アドベンチャー | JIS | 5万円台〜 | 高速走行も得意な空力性能。インナーサンバイザーを装備。 |
| 9 | i50 / HJC | コスパ・初心者 | SG, JIS, MFJ | 2万円台〜 | 独自技術「SLID」で安全性を確保したエントリーモデル。 |
| 10 | SECTOR 2 / THOR | コスパ・初心者 | SG, PSC | 2万円台〜 | 基本性能をしっかり押さえた、手頃な価格のベーシックモデル。 |
| 11 | X-ROAD III / WINS | アドベンチャー | SG, PSC | 2万円台〜 | インナーバイザー装備の多機能デュアルパーパスモデル。 |
| 12 | MOTO 3.5 SG / Leatt | レース | SG, MFJ | 3万円台〜 | 独自技術「360°タービン」で回転エネルギーを大幅に低減。 |
| 13 | J12 / Just1 | レース・軽量 | ECE | 6万円台〜 | フルカーボンシェル採用で約1100gの超軽量レーシングモデル。 |
| 14 | X-TRACK / Acerbis | コスパ | ECE | 2万円台〜 | イタリアの老舗パーツメーカーが手掛ける高コスパモデル。 |
| 15 | Aviator 3 / Airoh | レース・軽量 | ECE | 8万円台〜 | カーボンケブラー採用の超軽量フラッグシップモデル。 |
| 16 | ACEヘルメット / DFG | コスパ・初心者 | SG, MFJ | 2万円台〜 | 衝撃緩和技術「ERT」搭載。日本人向けのフィット感が魅力。 |
| 17 | EXPLORER F / LS2 | アドベンチャー | SG, JIS | 4万円台〜 | 軽量なカーボンファイバーシェル採用のアドベンチャーモデル。 |
| 18 | GEOSYS / OGK KABUTO | アドベンチャー | JIS | 4万円台〜 | 長距離ツーリングを快適にする空力性能と多機能性が魅力。 |
| 19 | EX-ZERO / SHOEI | クラシック | JIS | 4万円台〜 | クラシカルなデザインとインナーシールドで街乗りにも最適。 |
| 20 | SE5 / Troy Lee Designs | レース | SNELL, MFJ | 7万円台〜 | デザイン性と安全性を高次元で両立したプレミアムモデル。 |
| 21 | Aviator ace 2 / Airoh | レース | ECE | 5万円台〜 | 上位モデルの技術を継承したハイコストパフォーマンスモデル。 |
まずはチェック!主要オフロードヘルメットメーカーの特徴

お気に入りのデザインを見つける上で、各メーカーが持つブランドの個性や哲学を知ることは、ヘルメット選びの大きな助けになります。安全性や快適性に対する考え方はメーカーごとに異なり、それが製品の特性として表れるからです。ここでは、国内外の主要なオフロードヘルメットメーカーとその特徴を紹介します。
SHOEI(ショウエイ)
世界中のトップライダーから絶大な信頼を集める、日本のプレミアムヘルメットメーカーです。一切の妥協を許さない徹底した安全性の追求が特徴で、独自の衝撃吸収構造「M.E.D.S.」に代表される革新的な技術を常に開発しています。
Arai(アライ)
SHOEIと双璧をなす日本の老舗ヘルメットメーカーです。衝撃を吸収するだけでなく、障害物を滑らかに「かわす」ことで頭部への影響を最小限に抑える、という独自の安全哲学を掲げています。手作業による製造工程を多く残し、高い品質とフィット感を実現しています。
FOX(フォックス)
モトクロスシーンを牽引する、アメリカのアパレル・ギアブランドです。オフロードバイクの世界観を体現した、アグレッシブでスタイリッシュなデザインが最大の魅力と言えるでしょう。MIPSなどの最新安全技術を、手に取りやすい価格のモデルにも積極的に採用しています。
BELL(ベル)
世界で初めてヘルメットを量産化した、アメリカの歴史あるメーカーです。その長い歴史の中で常に安全技術の革新をリードしてきました。クラシックなスタイルから最先端のレースモデルまで、幅広いラインナップを揃えています。
YAMAHA(ヤマハ)
日本を代表するバイクメーカーであり、ヘルメットも自社ブランドで展開しています。バイク本体を知り尽くしているからこそ実現できる、ライダーの視点に立った機能性の高さが特徴です。パーツの組み合わせでスタイルを変更できるなど、ユニークなモデルも手掛けています。
OGK KABUTO(オージーケーカブト)
風の流れを科学し、空力性能を追求することに強みを持つ日本のメーカーです。長距離走行時の疲労を軽減する特許技術「ウェイクスタビライザー」などが有名です。日本人向けのフィット感を重視した設計も、多くのライダーから支持されています。
HJC(エイチジェイシー)
世界的なシェアを誇る韓国のヘルメットメーカーです。最新の設備と高い技術力を背景に、優れた安全性と快適性を備えたヘルメットを、非常に高いコストパフォーマンスで提供しています。
【2025年最新】初心者からベテランまで目的別おすすめオフロードヘルメット21選

各メーカーの個性を把握したところで、いよいよ具体的なモデルを見ていきましょう。数あるオフロードヘルメットの中から、あなたの目的やライディングスタイルに最適な一品を見つけるための道しるべとなるよう、「初心者・林道ツーリング向け」「アドベンチャー・公道走行メイン向け」「本格レース・エンデューロ向け」「デザイン重視・街乗り向け」という4つのカテゴリに分けて、全21モデルを厳選して紹介します。
それぞれのヘルメットが持つ特徴や機能、そしてどのようなライダーに最適なのかを詳しく解説しますので、ぜひ最高の相棒を見つける参考にしてください。
【初心者・林道ツーリング向け】快適性とコスパで選ぶおすすめヘルメット

初めてオフロードに挑戦する方や、週末の林道ツーリングをメインに楽しみたい方に向けて、特に快適性とコストパフォーマンスに優れたモデルを選びました。安全性はもちろん、長時間のライディングでも疲れにくい軽さや、公道走行での使いやすさも考慮したラインナップです。
ZEALOT MadJumperII(ジーロット マッドジャンパー2)
コストパフォーマンスを追求するなら、最初に検討したいヘルメットです。 手頃な価格ながら、MFJ公認規格を取得しており、レースへの参加も可能です。 約1,250gという軽量設計は、長時間の林道ツーリングで首への負担を軽減します。 インカムのスピーカーホールが設けられている点も、ツーリングライダーには嬉しいポイントです。
FOX V1(フォックス ブイワン)
世界的なオフロードブランドが手掛ける、信頼性とデザイン性を両立したエントリーモデルです。 上位モデルにも採用される衝撃吸収技術「MIPS」を搭載し、安全性を高めています。 新設計の帽体により軽量化も実現しており、快適なライディングをサポートします。 豊富なカラーバリエーションから、自分のバイクやウェアに合ったデザインを選べるのも魅力です。
YAMAHA YX-6 ZENITH GIBSON(ヤマハ ワイズギア ゼニス ギブソン)
パーツの組み合わせによって5つのスタイルに変更できる、多機能性が最大の特徴です。 標準でシールドが装備されているため、ゴーグルなしで気軽に公道走行やツーリングに出かけられます。 林道に到着したらシールドを外してゴーグルを装着するなど、シーンに応じた使い分けが可能です。 メガネ着用者に対応したスリットが内装に設けられている点も、多くのライダーにとって便利な機能でしょう。
HJC i50(エイチジェイシー アイゴジュウ)
世界トップクラスのシェアを誇るHJCが、安全性と快適性を高いコストパフォーマンスで実現したモデルです。HJC独自の衝撃分散システム「SLID」を採用し、万が一の際の衝撃を軽減します。 優れたベンチレーション機能と速乾性の高い内装により、汗をかきやすい夏場のライディングでも快適な被り心地を維持します。 初めてのオフロードヘルメットとして、安心して選べる一品と言えるでしょう。
DFG ACEヘルメット(ディーエフジー エースヘルメット)
日本のオフロード用品専門ブランドが開発した、コストパフォーマンスに優れたモデルです。 脳への衝撃を緩和する「ERT」という特許技術を採用しながら、2万円前後という価格を実現しています。 日本人向けのフィット感を重視した内装は、長時間の着用でも快適です。 公道走行からレースまで、幅広い用途に対応する懐の深さも魅力です。
THOR SECTOR 2(ソアー セクター2)
手頃な価格で基本的な性能をしっかりと押さえた、オフロード入門に最適なベーシックモデルです。 効率的なベンチレーションや、吸湿発散性に優れた快適な内装を備えています。 MFJ公認も取得しているため、レースへの出場も可能です。 初めての一品としてはもちろん、気軽に使えるセカンドヘルメットとしてもおすすめです。
【アドベンチャー・公道走行メイン向け】シールド付きおすすめヘルメット

高速道路を使ったツーリングから、その先の林道までを1つのヘルメットで楽しみたいライダーには、シールド付きのアドベンチャーヘルメットが最適です。オフロードでの走破性と、オンロードでの快適性や静粛性を高いレベルで両立させています。日差しを遮るバイザーや、眩しさを軽減するインナーバイザーを備えるなど、長距離走行を快適にする機能が充実したモデルが多いのも特徴と言えるでしょう。
Arai TOUR-CROSS V
オンロードでの快適性とオフロードでの走破性を高い次元で両立させた、Araiを代表するマルチパーパスヘルメットです。 衝撃をかわしやすい滑らかなフォルムを追求しており、安全性を高めています。 また、バイザーやシールドは工具を使わずに着脱でき、「アドベンチャースタイル」「オフロードスタイル」「オンロードスタイル」の3つの姿を手軽に楽しむことが可能です。 内装には、素肌と同じ弱酸性に保ち、抗菌・消臭・防汚性能を持つ機能性繊維「エコピュアー」を採用し、長時間のツーリングでも快適性を維持します。
SHOEI HORNET ADV
高速走行時の安定性とオフロードでの実用性を兼ね備えた、SHOEIのアドベンチャーヘルメットです。 バイザーは空力性能を徹底的に追求した設計で、高速域でありがちな首の振られを大幅に低減します。 また、眩しい日差しに即座に対応できる開閉式のインナーサンバイザーを装備しており、トンネルの出入りなどでも安心です。シールドの密閉性も高く、静粛性に優れているため、長距離ツーリングでの疲労軽減に貢献するでしょう。 吸湿速乾性に優れた「HYGRA®」と肌触りの良い起毛素材を組み合わせた内装は、快適な被り心地を提供します。
OGK KABUTO GEOSYS
オンロードとオフロード、双方のフィールドで高いパフォーマンスを発揮するデュアルパーパスモデルです。長距離走行におけるライダーの負担を軽減するOGK KABUTO独自の特許技術「ウェイクスタ$(“.fG8T7c”).text(“…
OGK KABUTO GEOSYS
オンロードとオフロード、双方のフィールドで高いパフォーマンスを発揮するデュアルパーパスモデルです。長距離走行におけるライダーの負担を軽減するOGK KABUTO独自の特許技術「ウェイクスタビライザー」を搭載しています。シールドはUV(紫外線)とIR(赤外線)をカットする高機能素材で、日差しによる温度上昇を抑制します。広い視野を確保したシールドや、操作しやすいベンチレーションなど、ツーリングを快適にする機能が随所に盛り込まれています。
WINS X-ROAD III
多彩な機能をスタイリッシュなフォルムに凝縮した、コストパフォーマンスに優れるデュアルパーパスヘルメットです。 標準の「トレイルスタイル」から、バイザーを外した「ストリートスタイル」、シールドを外してゴーグルを装着する「モトクロススタイル」へと、3つのスタイルに変更できます。 レバー操作で簡単に出し入れできるインナーバイザーも標準装備しており、様々なライディングシーンに柔軟に対応します。
LS2 EXPLORER F
カーボンファイバーを使用した軽量なシェルが特徴のアドベンチャーヘルメットです。 帽体の重量バランスが良く、長時間のライディングでも疲れにくい設計となっています。 広視野を確保するシールドに加え、インナーバイザーも装備しており、ツーリングでの利便性を高めています。 オフロードシーンで培ったノウハウを活かした快適な内装も魅力です。
【本格レース・エンデューロ向け】安全性と性能で選ぶおすすめヘルメット

本格的なモトクロスレースや、長丁場のエンデューロで勝利を目指すなら、ヘルメットには極限状況下での安全性が求められます。トップライダーが選ぶモデルは、軽量性や優れたベンチレーション性能はもちろん、万が一の転倒時に脳へのダメージをいかに軽減するか、という点に最新技術が投入されています。ここでは、世界のレースシーンで実績を積んだ、信頼性の高いハイエンドモデルを紹介します。
SHOEI VFX-WR
SHOEI独自の衝撃吸収構造「M.E.D.S.」を採用し、特に脳損傷のリスクが高いとされる回転方向の衝撃を効果的に低減させます。多くのトップライダーが愛用している事実が、その高い信頼性を証明していると言えるでしょう。アグレッシブなデザインでありながら、長時間のレースでも集中力を切らさないための快適性も追求されています。
Arai V-CROSS4
衝撃を「吸収」するだけでなく、障害物を滑らかに「かわす」ことでダメージを最小限に抑えるという、アライ独自の安全思想を体現したモデルです。厳しいSNELL規格をクリアする高い保護性能を誇ります。ライダーの集中力を削がないよう、細部にわたって機能性が追求された本格的なレース用ヘルメットです。
BELL MX-9 MIPS
多方向からの衝撃を緩和する「MIPS」を搭載し、高い安全性を確保しながらコストパフォーマンスにも優れたモデルです。ポリカーボネートとABSの複合シェルは、耐久性にも優れています。本格的なレースから週末のオフロード走行まで、幅広いライダーの要求に応える性能を持っています。
Leatt MOTO 3.5 SG
ネックブレースで知られるLeattが開発した、独自の衝撃吸収技術「360°タービンテクノロジー」が特徴です。この技術により、脳震盪に繋がる衝撃と回転エネルギーを大幅に低減します。SG規格とMFJ公認を取得しており、レースにも対応可能です。約1,270gという軽量設計も、長時間のライディングでの疲労軽減に貢献します。
Airoh Aviator 3
シェルにカーボンケブラー複合素材を使用することで、トップクラスの軽量性と強度を両立させています。Airoh独自の安全システム「A.M.S.S (Airoh Multiaction Safety System)」を搭載し、高い安全性を誇ります。レースでの使用を前提とした、非常に高性能なプレミアムモデルです。
Airoh Aviator Ace 2
上位モデルであるAviator 3の技術を受け継ぎながら、優れたコストパフォーマンスを実現したモデルです。 複合カーボン素材のシェルを採用し、ECE 22.06規格をクリアする高い安全性を確保しています。 衝撃時に内装がスライドして回転エネルギーを逃がすASN(Airoh Sliding Net)システムや、緊急時にチークパッドを素早く取り外せるAEFR(Airoh Emergency Fast Release)といった安全機構も備えています。
Troy Lee Designs SE5
MIPSの中でも、より内装と一体化した「MIPSインテグラ」を搭載し、快適性を損なうことなく安全性を高めたプレミアムモデルです。軽量なカーボンファイバーシェルと、効率的にヘルメット内部を冷却するベンチレーションシステムが特徴です。機能性だけでなく、Troy Lee Designsならではのスタイリッシュなグラフィックも大きな魅力となっています。
Just1 J12
アウターシェルにフルカーボンを採用し、モデルによっては1100g±50gという驚異的な軽さを実現しています。その軽さは、レース終盤でのライダーのパフォーマンス維持に大きく貢献するでしょう。もちろん、軽量でありながらレースシーンで求められる高いプロテクション性能も兼ね備えています。
【デザイン重視・街乗り向け】おしゃれなおすすめヘルメット

オフロードヘルメットは、走行性能だけでなくファッションアイテムとしての側面も重要です。ここでは、バイクやウェアとのコーディネートを楽しみたいライダーに向けて、デザイン性に優れたモデルを紹介します。
SHOEI EX-ZERO
1980年代のクラシックなオフロードスタイルを現代に蘇らせた、デザインコンシャスなヘルメットです。 シャープな顎周りのデザインが特徴的で、ネオクラシックやスクランブラータイプのバイクと抜群の相性を見せます。
格納式のインナーシールドを標準装備しているため、ゴーグルなしでも気軽に街乗りが可能です。 安全性は世界的なブランドであるSHOEIならではの信頼性があり、見た目だけでなく安心して使える点も魅力と言えるでしょう。
Acerbis X-TRACK
イタリアのオフロードパーツメーカー「アチェルビス」が手掛ける、スタイリッシュなヘルメットです。モトクロスヘルメットとしての機能性を確保しつつ、ヨーロッパブランドならではの洗練されたカラーリングとデザインが光ります。
シェルには軽量なグラスファイバーを採用し、長時間のライディングでも疲れにくい設計です。 高いデザイン性を持ちながら、コストパフォーマンスにも優れているため、スタイルと実用性を両立したいライダーにおすすめできます。
購入前に必読!オフロードヘルメット選びの”もっと深い話” Q&A

自分にぴったりのヘルメットを選ぶためには、スペック表だけでは分からない部分への理解が欠かせません。ここでは、価格による違いや最新の安全技術、フィッティングのコツなど、一歩踏み込んだQ&Aをご紹介します。
Q1. 2万円のヘルメットと6万円のヘルメット、決定的な違いは何?
主な違いは「帽体(シェルの素材)」と「快適性」にあります。
帽体の素材: 比較的安価なモデルではABSなどの樹脂が使われる一方、高価なモデルになるほど軽量で強度の高いFRP(繊維強化プラスチック)やカーボンが採用されます。これにより、安全性を確保しながらライダーの首への負担を大きく軽減します。
快適性: 高価格帯のモデルは、優れたベンチレーション性能による涼しさはもちろん、風切り音を抑える静粛性、肌触りが良く速乾性に優れた内装など、長時間のライディングでの快適性を追求した作りになっています。
価格差は、こうした目に見えにくい部分での安全性と快適性の差として現れると言えるでしょう。
Q2. 最近よく聞く「MIPS」って、どんな効果があるの?
MIPS(ミップス)は「多方向衝撃保護システム」の略称です。 転倒時にヘルメットが地面に斜めに衝突した際に発生する「回転エネルギー」が、脳に深刻なダメージを与える可能性があることから開発されました。
MIPSは、ヘルメットの内側にある低摩擦レイヤーがわずかにスライドすることで、衝撃のエネルギーを逃がし、脳へ伝わる回転する力を減少させる効果があります。 SHOEIの「M.E.D.S.」やHJCの「SLID」なども、同様に回転衝撃を緩和するためのメーカー独自の技術です。
Q3. メーカーによってサイズ感は違う?
はい、同じサイズ表記でもフィット感は異なります。
一般的に、日本のメーカーであるAraiやSHOEIは、日本人の頭の形に合わせた設計になっています。海外メーカーのヘルメットは、欧米人のような前後に長く横幅が狭い頭の形に合わせて作られていることが多く、人によっては側頭部が窮屈に感じることがあります。
これはあくまで一般的な傾向であり、最終的には実際に試着してフィット感を確かめることが最も重要です。
Q4. インカムはどのモデルにも付けられる?
取り付け自体は可能ですが、モデルによって難易度や快適性が大きく異なります。
特にアドベンチャーやツーリング向けのヘルメットは、インカムの取り付けを想定して設計されていることが多いです。 帽体の側面が比較的フラットで、内装にスピーカーを収めるための「スピーカーホール」が設けられているため、スムーズに取り付けられます。
一方、レース向けのモデルは複雑な帽体形状をしていることが多く、取り付けに工夫が必要な場合があります。
Q5. メガネをかけていても大丈夫?
メガネをかけている方は、メガネに対応した設計のヘルメットを選びましょう。
多くのヘルメットでは、メガネのつるが当たる部分の内装(チークパッド)にスリットが入っており、圧迫感なくスムーズにメガネを装着できるよう工夫されています。ゴーグルを使用する場合は、フレームにメガネ用の切り欠きがある「OTG(Over The Glasses)」仕様のモデルを選ぶと快適です。
【コラム】ヘルメット選びの新しい視点
近年、ヘルメットの安全基準は進化を続けています。特にヨーロッパの新しい安全規格「ECE 22.06」は、従来のテストに加えて回転衝撃テストを導入するなど、より厳格な基準となっています。 この規格をクリアしたヘルメットは、より高い安全性を持つ一つの指標と言えるでしょう。
また、日本ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、Leatt(リアット)やAiroh(アイロー)といった海外ブランドは、独自の安全技術や軽量設計で世界的に高い評価を得ています。選択肢を広げてみることで、より自分に合ったヘルメットに出会えるかもしれません。
Q1. 2万円と6万円のヘルメット、決定的な違いは何?

2万円のヘルメットと6万円のヘルメットでは、万が一の際に頭部を守るという基本的な安全性は、国の定めた安全規格(SGやPSCなど)をクリアしている点で共通しています。しかし、その価格差は主に「帽体の素材」「快適性に関わる内装や機能」そして「より高度な安全性への配慮」に明確に現れます。
最も大きな違いは、ヘルメットの外殻である「帽体」の素材です。比較的手頃な価格帯のモデルでは、ABS樹脂などの熱可塑性プラスチックが主に使われます。一方、高価格帯のモデルには、カーボンファイバーやFRP(ガラス繊維強化プラスチック)といった、より軽量で強靭な素材が採用される傾向があります。
例えば、先ほど紹介した「Just1 J12」のようなハイエンドモデルは、カーボン素材によって驚異的な軽さを実現しています。この「軽さ」は、長時間のライディングやレースシーンでの首への負担を大幅に軽減し、疲労度の違いとなって実感できるでしょう。
快適性も価格に大きく影響します。高価なヘルメットは、肌触りが良く、吸湿速乾性に優れた素材を内装に使用していることが多いです。また、より多くの空気を取り込み、効率的に熱を排出する高度なベンチレーションシステムを備えており、夏場の快適性が大きく異なります。
安全性についても、基本的な規格をクリアした上で、さらなる安全性を追求する技術が付加価値となります。衝撃を受けた際にシェルと内装が独立して動くことで、脳への回転衝撃を緩和する「MIPS」のような技術の有無も、価格差の一因と言えるでしょう。
Q2. MIPSって何?本当に安全なの?回転衝撃から脳を守る最新技術

ヘルメットの安全性を考えるとき、多くの人はどれだけ強い衝撃に耐えられるか、という「直線的な衝撃」に対する性能をイメージするでしょう。しかし、実際の転倒シーンでは、頭部は地面に対して斜めに打ち付けられることが多く、そこでは「回転衝撃(回転加速度)」が発生します。近年の研究では、この回転衝撃が脳に深刻なダメージを与える大きな要因であることが指摘されています。
その回転衝撃から脳を保護するために開発されたのが、「MIPS(ミップス/多方向衝撃保護システム)」と呼ばれるテクノロジーです。 これはヘルメットの内側に設けられた低摩擦性のスリッププレーンレイヤーが、転倒の衝撃を受けた瞬間に頭の動きに合わせて約10mm~15mmずれる(スライドする)仕組みです。このわずかな「ズレ」が、脳に伝わろうとする回転エネルギーを巧みに逃がし、ダメージを低減させる効果が期待できます。
MIPSは特定のブランドの独自技術ではなく、BELLやFOXをはじめ、多くのメーカーが採用する先進的な安全技術です。 例えば、「BELL MX-9 MIPS」や「FOX V1」といったモデルは、このMIPSを搭載することで高い安全性を確保しています。
もちろん、回転衝撃へのアプローチはMIPSだけではありません。SHOEIが「VFX-WR」に採用している独自の衝撃吸収構造「M.E.D.S.」も、インナーライナーがスイングすることで回転エネルギーを効果的に低減させる技術です。
これらの技術は、従来の安全基準をクリアした上で、さらに一歩進んだ保護性能を追求するものです。万が一のリスクを少しでも減らしたいと考えるなら、MIPSに代表される回転衝撃保護システムを搭載したヘルメットは、非常に有力な選択肢と言えるでしょう。
Q3. メーカーによってサイズ感は違う?失敗しないフィッティングのコツ

同じサイズの表記であっても、メーカーによってフィット感は大きく異なります。特に国内メーカーと海外メーカーでは、想定している頭の形状が違うため注意が必要です。
一般的に、Araiは日本人に多い丸い形状の頭に合いやすく、SHOEIは欧米人のような縦に長い楕円形の頭にフィットしやすい傾向があると言われています。 もちろんこれは大まかな傾向であり、最終的には個人の頭の形によるところが大きいです。
海外メーカー製のヘルメットは、SHOEI以上に横幅が狭く縦に長い形状であることが多く、国内メーカーと同じサイズ感で選ぶと側頭部が痛くなることがあります。 そのため、海外ブランドを選ぶ際はワンサイズ大きめを選ぶのが基本とされています。
こうした失敗を防ぐ最も確実な方法は、実際に店舗で試着することです。試着の際は、以下のポイントを確認しましょう。
頭全体が均等にホールドされているか
首を振ってもヘルメットが大きくずれないか
こめかみやおでこなど、一点に強い圧迫感がないか
最低でも10分以上は被り続け、痛みが出ないか確認する
もし少しだけ緩かったり、特定の部分だけがきつかったりする場合は、内装の調整で解決できる可能性があります。 特にAraiやSHOEIの製品は、厚みの違うチークパッドやセンターパッドがオプションで用意されており、専門知識を持つスタッフがいる「テクニカルプロショップ」などで、より精密なフィッティングサービスを受けることも可能です。
Q4. ツーリングでインカムは付けられる?

多くのモデルで取り付け可能ですが、ヘルメットの形状によって工夫が必要になる場合があります。特にレース向けのモデルは、帽体の側面が複雑なデザインになっていることが多く、インカム本体を固定するクランプの取り付けが難しいケースが見られます。
一方で、ツーリングでの使用を想定したアドベンチャーヘルメットは、インカムの装着を考慮して設計されていることが多いです。先ほど紹介したAraiのTOUR-CROSS VやSHOEIのHORNET ADVなどは、側面に取り付け用のフラットなスペースが確保されていたり、内部にスピーカーを収納するための窪み(スピーカーホール)が設けられていたりします。 こうしたモデルは、快適なインカムの取り付けを実現できるでしょう。
最終的に、お手持ちのインカムや購入予定のインカムが取り付けられるか不安な場合は、バイク用品店で専門のスタッフに相談し、実際にヘルメットとの相性を確認することをおすすめします。
Q5. メガネをかけていてもオフロードヘルメットは使える?

結論から言うと、多くのオフロードヘルメットはメガネをかけたままでも使用可能です。ただし、何も考えずに選ぶと、こめかみが圧迫されて痛みが出たり、ライディングに集中できなかったりする可能性があります。
快適に使用するためには、ヘルメット内装のチークパッドに「メガネスリット」と呼ばれる加工が施されているモデルを選ぶことが重要です。 これはメガネのつるが通るための溝で、フレームによる圧迫感を大幅に軽減してくれます。
ただし、メガネスリットがあっても、ヘルメット自体のフィット感やメガネフレームの形状によっては、きつく感じることがあります。購入前には必ず普段使っているメガネを持参し、実際に試着してフィット感を確認することが失敗しないための最も確実な方法です。
ゴーグルと併用する場合は、メガネの上からでも装着できるよう、奥行きや幅に余裕を持たせた「OTG(Over The Glasses)」対応モデルを選びましょう。 OTG対応ゴーグルは、フレームの一部にメガネのつるが収まるための凹みが設けられていることが多く、圧迫感を減らす工夫がされています。
シールド付きのアドベンチャーヘルメットであれば、ゴーグルとの相性を気にする必要がないため、メガネユーザーにとっては手軽な選択肢の一つと言えるでしょう。
【コラム】海外のトレンドと注目ブランド|最新安全規格ECE 22.06とは?

ヘルメット選びでは、国内のSHOEIやAraiといったトップブランドに注目が集まりがちです。しかし世界に目を向けると、独自の安全思想や優れた技術を持つブランドが数多く存在します。
特に南アフリカで誕生したLeatt(リアット)は、ネックブレースの開発から始まったブランドならではの視点でヘルメットを開発しています。 Leattのヘルメットに搭載される「360°タービンテクノロジー」は、衝撃吸収素材で作られた複数のディスクがヘルメット内部に配置されたものです。 このディスクが衝撃時に回転することで、脳震盪を引き起こす直線的な衝撃エネルギーと、より深刻な脳損傷に繋がる回転加速度の両方を大幅に低減します。
また、イタリアのAiroh(アイロー)も、トップライダーからの信頼が厚いブランドの一つです。 カーボンやケブラーといった高性能複合素材を使用することで、軽量性と強度を高いレベルで両立させているのが特徴です。
こうした海外の動向と合わせて知っておきたいのが、ヘルメットの安全規格そのものの進化です。欧州で採用されているECE規格は、20年近く運用された「ECE 22.05」から、より厳格な新規格「ECE 22.06」へと更新されました。
ECE 22.06の最も大きな変更点は、これまで規格化されていなかった「回転衝撃テスト」が導入されたことです。 実際の事故では、頭部が斜めから衝撃を受けることで脳にねじれるような力が加わり、深刻なダメージに繋がることが研究でわかっています。 新規格では、こうした斜めからの衝撃に対する保護性能がテストされるため、ECE 22.06をクリアしたヘルメットは、より現実の事故に近い状況での安全性が高いと言えるでしょう。
他にも、衝撃テストを行う速度の範囲が広がり、より多様な状況を想定した試験が課されるようになりました。 この新しい安全基準の登場は、今後のヘルメット選びにおける重要な指標の一つとなっていきます。
購入後に後悔しない!オフロードヘルメットを長く快適に使うための知識

最新の安全技術を備えたヘルメットを選んでも、その性能を維持できなければ意味がありません。購入後の適切なメンテナンスは、ヘルメットの寿命を最大限に活かし、常に快適なライディングを楽しむための重要な要素と言えるでしょう。
まず基本となるのが、内装の洗濯です。汗や皮脂が付着した内装を放置すると、雑菌が繁殖して不快な臭いの原因になるだけでなく、肌トラブルを引き起こす可能性もあります。多くのヘルメットは内装を取り外せるため、定期的に洗濯することを習慣にしてください。洗濯の際は、洗濯機ではなく中性洗剤を使った手洗いが基本です。優しく押し洗いし、すすぎを十分に行った後は、風通しの良い日陰で完全に乾燥させましょう。
ヘルメットの外装やシールド、バイザーは非常にデリケートです。泥や虫が付着したまま乾いた布で擦ると、細かい傷が無数についてしまいます。手入れをする際は、まず水で大まかな汚れを洗い流してください。その後、柔らかいマイクロファイバークロスなどに中性洗剤を含ませて優しく拭き、再度水で洗い流してから水分を拭き取ります。
保管場所も重要です。直射日光が当たる場所や高温多湿な環境は、ヘルメットの素材を劣化させる大きな原因となります。ライディング後は汗などの湿気を飛ばし、風通しの良い場所で保管するのが理想的でしょう。
そして、最も重要な知識がヘルメットの寿命です。一般的に、オフロードヘルメットの耐用年数は使用開始から3年、製造から5年が目安とされています。外観に傷や損傷がなくても、目に見えない部分で素材の劣化は進行します。特に、衝撃を吸収する内側のライナー(EPS)は、汗や紫外線、熱の影響で徐々に性能が低下していくのです。万が一の際に頭部を確実に守るため、使用期限を必ず守ってください。一度でも転倒などで衝撃が加わったヘルメットは、内部のライナーが潰れて衝撃吸収性能を失っているため、継続して使用するのは非常に危険です。
こうした基本的なメンテナンスに加えて、ライディングをさらに快適にするアクセサリーも数多く存在します。シールドやゴーグルの曇りを防ぐ「曇り止めスプレー」、外装の汚れを落とし艶を出す「ヘルメットクリーナー」、そして使用後のヘルメット内部を乾燥させ、気になる臭いを抑える「ヘルメット用消臭・乾燥機」などは、持っていると非常に便利なアイテムです。
ヘルメットを長持ちさせるメンテナンス方法|内装の正しい洗い方と保管方法

自分に最適なヘルメ
ットを見つけた後も、その性能を維持し、長く快適に使い続けるためには適切なメンテナンスが欠かせません。汗や皮脂が付着した内装を放置すると、雑菌が繁殖して悪臭の原因になるだけでなく、内装のスポンジの劣化を早めてしまいます。
まず、多くのヘルメットで採用されている着脱式内装の洗い方です。 説明書に従って内装を取り外し、40℃程度のぬるま湯に衣料用の中性洗剤を少量溶かして、優しくもみ洗いや押し洗いをします。 洗浄力が強い弱アルカリ性の洗剤は素材を痛める可能性があるため、中性洗剤の使用が推奨されます。 洗剤が残らないよう十分にすすいだ後、乾いたタオルで優しく水分を吸い取り、風通しの良い場所で陰干しして完全に乾燥させることが重要です。
帽体(シェル)の表面やシールドは、薄めた中性洗剤を柔らかい布に含ませて拭き上げます。 特にシールドは傷がつきやすいため、ゴシゴシこすらず、優しく汚れを落とすようにしましょう。
保管方法もヘルメットの寿命に大きく影響します。直射日光や高温多湿な場所は、帽体や衝撃吸収ライナーの素材を劣化させる最大の敵です。 夏場の車内やバイクのシート下などに放置することは絶対に避けてください。 使用後は風通しの良い涼しい場所に保管するのが基本です。
また、ヘルメットには耐用年数があることも知っておく必要があります。見た目に傷がなくても、内部の衝撃吸収ライナー(発泡スチロール)は、汗や紫外線、温度変化によって少しずつ劣化し、衝撃を吸収する性能が低下していきます。 このため、多くのメーカーでは、安全性を考慮して使用開始から3年での交換を推奨しています。 万が一の際に確実に頭部を保護するためにも、この期間を目安に買い替えを検討することが賢明です。もちろん、一度でも転倒などで強い衝撃を受けたヘルメ-ットは、内部のライナーが潰れて性能を発揮できないため、すぐに交換が必要です。
ヘルメットの寿命は3〜5年!安全のために交換すべき理由

見た目が綺麗でも、ヘルメットには安全性能を維持するための寿命が存在します。多くのメーカーが推奨する交換の目安は「使用開始から3年」です。 この期間には、ヘルメットが頭部を守る仕組みに深く関わる、科学的な理由があります。
ヘルメットは、強靭な帽体(シェル)とその内側にある衝撃吸収ライナーという、主に2つのパーツで衝撃から頭を守っています。 この衝撃吸収ライナーの多くは発泡スチロールで作られており、事故の際にはライナー自体が潰れることで衝撃エネルギーを吸収します。 しかし、シェルや衝撃吸収ライナーに使われる素材は、紫外線、熱、雨、そして自身の汗や皮脂などによって、時間をかけて少しずつ劣化していきます。
素材の劣化が進むと、本来のしなやかさや衝撃を吸収する能力が低下し、万が一の際に十分な保護性能を発揮できなくなる可能性があります。
また、一度でも強い衝撃を受けたヘルメットは、たとえ外観に目立つ傷がなくても交換することが必須です。 外側のシェルに問題が見えなくても、内側の衝撃吸収ライナーが衝撃を吸収して潰れている可能性があります。 一度潰れた衝撃吸収ライナーは元の状態には戻らないため、次に衝撃を受けた際に性能を発揮することができません。
あなた自身の命を守る最も重要な装備だからこそ、メーカーが推奨する期間を目安に、定期的な交換を必ず行ってください。
もっと快適に!あると便利なヘルメット関連アクセサリー3選

ヘルメット本体の性能を最大限に引き出し、より快適なライディングを実現するためには、周辺アクセサリーの活用が欠かせません。オフロード走行後のメンテナンスを楽にし、次の走行を気持ちよくスタートさせるための便利なアイテムを3つ紹介します。
シールド・ゴーグル用曇り止め
雨天時や寒い季節のライディングで、シールドやゴーグルの曇りは視界を著しく妨げます。 特にオフロードでは一瞬の視界不良が大きなリスクに繋がるため、事前の対策が重要です。あらかじめ内側に曇り止め剤を塗布しておくことで、クリアな視界を確保し、安全で快適な走行をサポートします。 スプレータイプやシートタイプなど、様々な製品が市販されています。
ヘルメット外装用クリーナー&コーティング剤
オフロード走行では、泥や土、虫などがヘルメットに付着します。専用のクリーナーを使えば、塗装を傷めることなくこれらの汚れを簡単に落とすことが可能です。 さらに、コーティング剤を施工することで艶出し効果が得られるだけでなく、汚れが付着しにくくなるというメリットもあります。大切なヘルメットを綺麗に保つことは、ライディングへのモチベーション維持にも繋がるでしょう。
ヘルメット消臭・乾燥機
汗をかいたままヘルメットを放置すると、内装に雑菌が繁殖し、不快な臭いの原因となります。 ヘルメット専用の消臭・乾燥機を使用すれば、ファンで内部を強制的に乾燥させることができます。 製品によってはプラズマイオンや紫外線を発生させ、雑菌の繁殖を抑制する機能を備えたものもあります。 次に被る時も清潔で快適な状態を保つことができ、内装を長持ちさせる効果も期待できます。
まとめ|最高の相棒ヘルメットで、忘れられないオフロード体験を!

自分にぴったりのオフロードヘルメットを見つけることは、時に長く険しい道のりに感じられるかもしれません。しかし、これまで解説してきたポイントを押さえれば、あなたの使い方に最適なモデルは必ず見つかります。
改めて、失敗しないための選び方の要点を確認しましょう。
用途を明確にする: 林道ツーリングなのか、レースなのか。
タイプを決める: シールド付きか、ゴーグルタイプか。
安全性を確認する: 自分の走りに必要な規格は何か。
フィット感を最優先する: 必ず試着し、頭全体が均等にフィットするか確かめる。
機能性を比較する: 軽さや快適性は、疲労度に直結する。
予算を考慮する: 価格と性能のバランスを見極める。
デザインで選ぶ: 愛車に似合うデザインは、所有する喜びを高める。
最終的に大切なことは、スペックや価格だけでなく、あなた自身が心から「これだ」と思えるヘルメットを選ぶことです。頭部を守る最も重要な装備であり、オフロードという非日常の世界を共に冒険する最高の「相棒」だからです。
信頼できる相棒ヘルメットを手に入れ、安全を確保した上で、ぜひ忘れられない素晴らしいオフロード体験へと走り出してください。